将棋「電王戦」また勝利 コンピューターはトップ棋士に並んだ?
THE PAGE 4月19日(土)16時0分配信
「プロ棋士」と「コンピューターソフト」の対決として注目を集めていた将棋の団体戦「第三回電王戦」(主催・ドワンゴ、日本将棋連盟)は12日に対局日程を終了、プロ棋士側から見て1勝4敗という結果となりました。昨年行われた第二回もプロ棋士側が負け越し(1勝3敗1引き分け)ており、人間側にとって2年続けて厳しい結果となりました。今回は第二回と比べルールが変更され、プロ棋士側が若干有利という見方もありましたが、それでもコンピューターソフトが勝利したことで、「結果から見ればソフトの実力はトッププロ棋士に並んだといってもいい」という意見も出始めています。
プロ有利の前評判も2年連続負け越し
第三回電王戦は3月15日に開幕し、前回同様5対5の団体戦で行われました。
《第3回将棋電王戦対戦結果(対局順)》
プロ棋士 コンピューター
●菅井竜也五段 vs 習甦(開発者 竹内章氏)○
●佐藤紳哉六段 vs やねうら王(開発者 磯崎元洋氏、岩本慎氏)○
○豊島将之七段 vs YSS(開発者 山下宏氏)●
●森下 卓九段 vs ツツカナ(開発者 一丸貴則氏)○
●屋敷伸之九段 vs ponanza(開発者 山本一成氏、下山晃氏)○
第二回とのルールの違いの一つは、主催者が用意する統一のハードウェアを使用する点。さらに「プロ棋士側には本番と同じソフトおよびハードで事前に練習対局できる環境が提供される」ということです。第二回で三浦弘行九段(対局当時八段)に勝利したGPS将棋などが、約700台のハードウェアを接続して並列的にプログラムの処理を行う「クラスタ」と呼ばれる技術を使っていましたが今回はこの方式は使えなくなりました。こうした点から今回はコンピューター側が不利なのではという指摘が出ていました。
《第3回将棋電王戦対戦結果(対局順)》
プロ棋士 コンピューター
●菅井竜也五段 vs 習甦(開発者 竹内章氏)○
●佐藤紳哉六段 vs やねうら王(開発者 磯崎元洋氏、岩本慎氏)○
○豊島将之七段 vs YSS(開発者 山下宏氏)●
●森下 卓九段 vs ツツカナ(開発者 一丸貴則氏)○
●屋敷伸之九段 vs ponanza(開発者 山本一成氏、下山晃氏)○
第二回とのルールの違いの一つは、主催者が用意する統一のハードウェアを使用する点。さらに「プロ棋士側には本番と同じソフトおよびハードで事前に練習対局できる環境が提供される」ということです。第二回で三浦弘行九段(対局当時八段)に勝利したGPS将棋などが、約700台のハードウェアを接続して並列的にプログラムの処理を行う「クラスタ」と呼ばれる技術を使っていましたが今回はこの方式は使えなくなりました。こうした点から今回はコンピューター側が不利なのではという指摘が出ていました。
谷川会長「厳しい現実受け止めなければ」
しかし、いざ対戦が始まるとコンピューターは指し手に乱れがほとんど見られず、豊島七段が快勝した第三戦を除けば、いずれも熱戦となり、最後はコンピューターソフトが競り勝つ形になりました。今回タイトル保持三期の実績を持つ屋敷九段が敗れ、第二回では名人戦A級(最上位クラス)在籍の三浦九段も敗戦しており、12日の最終戦終了後、記者会見した将棋連盟会長の谷川浩司九段は「昨年に続き今年も負け越しという結果に終わりまして、厳しい現実を受け止めなければいけません」と語りました。
勝った豊島七段は「3月に入って対局と研究会の日を除けばソフトと対決していた」と電王戦対策にかなり集中し、1000局近い対戦をこなしたことを明らかにしました。一方、敗れた棋士からは「習甦(第1戦のソフト)との将棋は本当に力負けという風に感じた」(菅井五段)、「ソフトとの練習を通して、自分が思ってもいないような手を指してくる、そういう場面にたくさん遭遇し、将棋の奥深さを感じることができた」(佐藤六段)とコンピューターの強さを受け入れる声が出ました。
勝った豊島七段は「3月に入って対局と研究会の日を除けばソフトと対決していた」と電王戦対策にかなり集中し、1000局近い対戦をこなしたことを明らかにしました。一方、敗れた棋士からは「習甦(第1戦のソフト)との将棋は本当に力負けという風に感じた」(菅井五段)、「ソフトとの練習を通して、自分が思ってもいないような手を指してくる、そういう場面にたくさん遭遇し、将棋の奥深さを感じることができた」(佐藤六段)とコンピューターの強さを受け入れる声が出ました。
将棋「電王戦」また勝利 コンピューターはトップ棋士に並んだ?
THE PAGE 4月19日(土)16時0分配信
プロ棋士が相次いで「力負け」
今回の結果について元「週刊将棋」編集長の古作登氏(大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員)は「過去二回の電王戦の結果がソフトから見て7勝2敗1持将棋ですから、客観的に見てもすでにトップクラスの棋士(平均的なプロ棋士に対し7割以上の勝率)に並んだと言ってもいいのではないか」と指摘。奨励会在籍経験もある強豪の古作氏は「中堅クラスの棋士とトップ棋士の対戦棋譜を並べても、終盤までギリギリの競り合いになるけれども最後はトップ棋士が抜け出すことが多いように感じています」といい、ソフトの実力はトップ棋士に限りなく近づいたとみています。
長年コンピューターを用いた将棋の研究に携わってきた工学博士の伊藤毅志氏 (電気通信大学情報工学科助教)は「昨年の結果を鑑みれば、コンピューターとまともに戦っては、勝ちにくいということはわかっていたはずです。そういう意味で、厳しい言い方になりますが、本当に危機感を持って対局に臨んだプロ棋士は豊島七段だけではなかったのかという気がします。他の4名は、正々堂々と戦って、力負けしたという印象です。他の棋士も豊島七段と同様の準備をしていれば、逆の結果になっていてもおかしくなかったと思っています」との見方を示しました。
長年コンピューターを用いた将棋の研究に携わってきた工学博士の伊藤毅志氏 (電気通信大学情報工学科助教)は「昨年の結果を鑑みれば、コンピューターとまともに戦っては、勝ちにくいということはわかっていたはずです。そういう意味で、厳しい言い方になりますが、本当に危機感を持って対局に臨んだプロ棋士は豊島七段だけではなかったのかという気がします。他の4名は、正々堂々と戦って、力負けしたという印象です。他の棋士も豊島七段と同様の準備をしていれば、逆の結果になっていてもおかしくなかったと思っています」との見方を示しました。
次回はあるのか? タイトルホルダー出場は?
第四回の電王戦開催について、将棋連盟とドワンゴともに明言はしていません。次回行うとすれば団体戦で連敗したプロ棋士側は、現役タイトル保持者の出場を望む声が出そうです。しかし将棋連盟の谷川会長は「タイトルは将棋連盟のものではないと思っておりますので、これはまったく別だと考えております」と述べるにとどまりました。タイトル戦は新聞社など大手マスコミが主催しており、仮に現役タイトルホルダーが出場して敗れた場合、タイトルの価値に傷がつくのではないかという危惧があるようです。
しかし、古作氏は「ファンの目線から見ればタイトルホルダーが最低1人は出ないと納得しないでしょう」と指摘。また伊藤氏は「本当は数年前のまだタイトルホルダーなら楽に勝てた頃に対戦しておくべきでした。 ただ、当時は環境が整わなかった。もし来年対戦するとすれば、ルールにもよりますが、私の印象では7:3ぐらいでコンピューター側が有利ではないかと思います。負ける可能性が高いと わかっている対戦にタイトルホルダーを出すのはリスキーな選択ですし、将棋連盟はもちろん世間も望んでいないかも知れません」と話しています。
その一方で、「何らかの形でタイトルホルダーとコンピューターの対戦は決着をつけた方が良いと思っています。後の世に”タイトルホルダー(トッププロ棋士)は対戦を避けて逃げた”という誹りが無いとは言えません。これは”対戦して負けた”という事実より味が悪いかも知れません」。
しかし、古作氏は「ファンの目線から見ればタイトルホルダーが最低1人は出ないと納得しないでしょう」と指摘。また伊藤氏は「本当は数年前のまだタイトルホルダーなら楽に勝てた頃に対戦しておくべきでした。 ただ、当時は環境が整わなかった。もし来年対戦するとすれば、ルールにもよりますが、私の印象では7:3ぐらいでコンピューター側が有利ではないかと思います。負ける可能性が高いと わかっている対戦にタイトルホルダーを出すのはリスキーな選択ですし、将棋連盟はもちろん世間も望んでいないかも知れません」と話しています。
その一方で、「何らかの形でタイトルホルダーとコンピューターの対戦は決着をつけた方が良いと思っています。後の世に”タイトルホルダー(トッププロ棋士)は対戦を避けて逃げた”という誹りが無いとは言えません。これは”対戦して負けた”という事実より味が悪いかも知れません」。
オセロやチェスではソフトが優位に
すでにオセロやチェスの世界では世界チャンピオンでもコンピューターに勝てなくなっています。将棋ソフトも今後さらに進化する可能性は高く、いずれ人間を上回るという見方もあります。反面、電王戦最終戦は累計70万人以上の人がニコニコ生放送の中継を見たとされ、ほかのタイトル戦に匹敵する人気になっていることも無視できません。棋士とコンピューターはどう共存し、将棋界に生かせるのか。今後プロ棋士を擁する将棋連盟が電王戦にどのように取り組んでいくのか注目されます。
2ページ中2ページ目を表示
最終更新:4月19日(土)16時0分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140419-00000009-wordleaf-sci&p=1
0 件のコメント:
コメントを投稿