2014年4月19日土曜日

BRICs



BRICs

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BRICS
ブラジル、サンパウロのマルジナル・ピニェイロス
ロシア、建設中のモスクワ・シティ(モスクワ国際ビジネスセンター)
中国、上海浦東新区の夜景
南アフリカ、ヨハネスブルグの市街中心地
BRICs(ブリックス、: Brazil, Russia, India and China)とは、経済発展が著しいブラジル、ロシア、インド、中国の四カ国の総称。また、BRICS[1]とは BRICs に南アフリカ共和国を加えた五カ国(Brazil, Russia, India, China, South Africa)の総称。 投資銀行ゴールドマン・サックスエコノミストであるジム・オニールによって書かれた2001年11月30日投資家向けレポートBuilding Better Global Economic BRICs[2]で初めて用いられ、世界中に広まった[3]。なお、同じくゴールドマン・サックスの2003年10月1日の投資家向けレポート『Dreaming with BRICs:The Path to 2050[4]で初めて用いられたと勘違いしている情報も見受けられるが[5]、これは明確に誤りである。
2011年4月13日に中国の北京で行われた四カ国首脳会議に南アフリカ共和国が初参加したことに伴い、正式名称の最後の文字「s」を大文字に変更して「BRICS」となった[6]


BRICsの潜在能力[編集]

BRICsはかつての新興工業経済地域: NIEs)や東南アジア諸国連合: ASEAN)同様経済成長が目覚しく、またそれらの国々のGDPや貿易額が世界に占める割合は近年急速に高まっており、世界経済に多大な影響を与えるまでになっている。広大な土地・豊富な人材・豊富な資源を有するのに加え、ここ数年あるいは数十年で様々な改革を進めてきたことにより、結果として潜在力を実際の成長率に反映させることが可能になった。その結果、2008年5月時点で G6(日独英米仏伊)の15%に過ぎない経済規模は、2025年には約半分の大きさに、2040年頃には先進国を上回り、2050年の時点ではBRICsがG6の1.5倍の規模になるとみられている。5カ国が注目される理由として、特に3つの点が挙げられる。
規模の大きさ
BRICsが世界に占める割合をみると、国土面積で32%、人口では45%となっており、世界の中で圧倒的な比重を占めている。
世界経済に占める地位
GDPの割合を購買力平価で換算すると 24 %(ただし、2007年、中国の購買力平価ベースの GDP が基準値の変更の遅れなどで、四割減少した)[7]と大きく上昇し、アメリカ (21%)、EU (20%) を既に上回っている。
これまでの成長実績および今後の成長見込
ここ10年の間に新興工業国の経済成長が失速したのとは対照的にこの5カ国は平均で年6%の成長を遂げており、特にインドとブラジルは今後も比較的高い成長率を達成していくものと予想されている。

BRICsの国の特徴[編集]

2008年の時点での、BRICsの四首脳。左から、マンモハン・シン(印)ドミトリー・メドヴェージェフ(露)胡錦濤(中)ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ(伯)

共通点[編集]

  • 国土および資源大国である。国土面積はロシアが世界1位、中国が世界3位、ブラジルが世界5位、インドが世界7位、南アフリカが世界24位。面積でいえば5カ国で世界の約32%を占めている。また、それに伴い天然資源にも富んでいる。中国やインドは1人あたりの資源量は決して多くはないものの、5カ国とも資源大国である。資源としては石炭鉄鉱石天然ガスが4カ国に共通しており、原油ボーキサイトなどもほとんどの国で産出されている。
  • 人口大国である。2000年代初頭の人口は、中国が約13億人(世界1位)、インドが約11億人(世界2位)、ブラジルが約1億7,000万人(世界5位)、ロシアが約1億4,000万人(世界7位)、南アフリカが約4,900万人(世界25位)となっており、5カ国合計で27億人以上、世界の人口の約45%を占めている。今後もロシアを除く4カ国では人口が増加し、2050年には32億6,000万人にまで膨れ上がるとされている。ただし、ブラジルとインドおよび南アフリカでは将来的にも人口が増え続ける一方で、ロシアは特に21世紀に入って以降、人口が急激に減少する傾向にあり[8]、人口が多いため一人っ子政策を採る中国でも将来的には人口が減少すると予測されている。
  • 政治・軍事において、地域における覇権を握っている。
    • 南アフリカを除いた、ロシア・中国・ブラジル・インドの4カ国は航空母艦保有国であり。
    • ブラジルと南アフリカを除いた、ロシア・中国・インドの3カ国は核兵器保有国であり。
    • ブラジルと南アフリカを除いた、ロシア・中国・インドの3カ国はICBM保有国であり。
    • ブラジルと南アフリカを除いた、ロシア・中国・インドの3カ国はSLBM保有国であり。
    • ロシア・中国はASAT保有国であり。
    • ロシア・中国は月面着陸を成功させた2カ国目の国となった。
    • ロシア・中国は有人宇宙飛行を成功させた2カ国目の国となった。
    • ロシア・中国は国連安保理常任理事国で、ブラジルとインドも新たに常任理事国入りする可能性がある。
    • 2005年2月にロンドンで開かれたG7財務相・中央銀行総裁会議では従来のG8(G7+ロシア)に加えて、BRICsの他の国も初めて参加した。
  • 経済改革を行っている。1970年代後半の中国やブラジル・ロシア・インド・南アフリカの1990年代初頭の経済政策の転換はいずれも、対外開放による海外からの投資市場経済化を推進するものであった。
  • 現時点での貧富の格差が大きい。ブラジルとインドおよび南アフリカでは元来大きかった格差が解消されておらず、ロシアと中国では、市場経済導入による経済の自由化に伴って格差が拡大した。また、これらの国々では経済の地域格差も大きい。
  • 民族国家で多人種社会であり、共通語的役割がある言語または公用語とされる言語以外にも、多くの言語が国内で使用される。

相違点[編集]

その他[編集]

  • ロシアと中国、中国とインドは国境を接している。かつては領土問題で揉めていたが、近年解決に向かう動きが出てきた。
  • 中国からロシアのシベリアへの移民が増えつつある(特に沿海地方を含む東シベリア)。シベリアは人口が希薄なので、将来的に中国人がシベリアの一部で住人の多数を占める可能性がある。そうなった場合、中国からロシアに割譲された沿海地方で領土問題が再燃する可能性もある(ただし、2004年に両国間の国境問題は解決し、国境線は画定されている)。また経済の面でもロシアと中国の逆転現象が起こることが考えられる。
  • ロシアを除く4カ国は、首都最大の都市が異なる。インドニューデリーよりムンバイ(旧ボンベイ)が、中国は北京より上海が、ブラジルはブラジリアよりサンパウロが、南アフリカはプレトリアよりヨハネスブルグの方が大きい。
  • ブラジルとインドおよび南アフリカは、植民地以前から、資本主義を導入していた。中国とロシアは、旧共産主義で、市場経済制導入後、資本主義となった。
  • 中国以外は、大統領制を導入している。
  • 冷戦時代、ロシア・中国は東側陣営にあったが対立していた。
  • ブラジルと南アフリカを除く3カ国、ロシア・中国・インドは、モンゴル帝国及びその後継国家の支配下にあった国々である。
  • ブラジルと南アフリカは、南半球に属する。

ブラジル[編集]

ブラジルは、2036年にドイツを抜き、2050年にはGDPが6兆740億ドルで世界でも5位という高い経済水準にあると予測されている。

政治的変遷[編集]

2000年代のブラジルの経済成長の基礎は、1990年に就任したフェルナンド・コロール・デ・メロ大統領によって築かれたと言える。1970年代に急速な工業化を遂げた後、1980年代から1990年代前半は累積債務や高いインフレ率に悩まされ、その成長は鈍化していた。そのためコロール政権は、戦前の大恐慌後から続いた輸入代替政策を転換し、輸入制限の撤廃や国営企業の民営化、周辺国とメルコスールの創設の準備など、市場メカニズム導入と対外経済開放による発展に道を開いた。
また1992年に就任したイタマル・フランコ政権は、年に数千パーセントというハイパー・インフレへの対応として、1994年に旧通貨クロゼイロ・レアルから米ドルに緩やかにペッグ(連動)させた新通貨レアルへの切り替えを行った。1995年から8年間に及ぶカルドーゾ政権は、財政責任法財政罰則法の制定によって、プライマリーバランスを黒字化させた。財政の健全化が進むと同時にブラジルの国際的信用は高まり、途上国では中国に次ぐ直接投資の受け入れ国家となるまでになった。2002年の大統領選挙では左翼ルーラ候補が支持を集めていたことから、経済政策転換への懸念により通貨急落と株価低迷を招いた。しかし、2003年1月に就任したルーラ新大統領は前政権の政策を踏襲し、金融市場に安心感を与えた。

経済の現状[編集]

ブラジル経済は、貿易が成長の鍵を握っていると指摘される。貿易依存度については、1994年が15%未満であったのに対し2003年には約25%へと、わずか10年で急激に高まった。特に輸出の拡大が顕著であり、これはブラジル政府が輸出の拡大に加え多様化や高付加価値化などを推し進め、同時に外資系企業の参入、穀物鉱物資源といった一次産品の価格の高騰がそれを後押しする形となった。2004年にはブラジルの貿易収支は336億9,600万ドルと、これまでで最高となる貿易黒字を計上した。
黄色で囲まれた部分はアマゾン熱帯雨林。その南はカンポ・セラード。どちらも農業が盛ん。
ブラジルの貿易を根幹から支えるものは、南米大陸の約半分を占める広大な大地からの恵みであり、鉱物資源や農畜産物、熱帯雨林に生息する多種多様な生物資源などが挙げられる。2004年の貿易収支に関して言えば、その要因として、輸出量の減少にもかかわらず需要増加に伴う国際取引価格の急騰により金額ベースでは輸出増加という結果になった大豆や、鋼板建材の生産活動が活発でかつ国内供給能力が不足するなど鉄鉱石の世界最大輸入国となっている中国において、その輸入額が前年比162%増と急伸したことにより過去最高水準となった鉄鉱石の伸びが大きく貢献する形となった。特に鉄鉱石は、中国が鉄鉱石の輸入の約30%をブラジルへ依存しており、世界2位の鉄鉱石輸入国である日本もその20%以上をブラジルに依存するなど、ブラジルは世界的な鉄鉱石輸出国となっている。
また伝統的に重工業、中でも航空機産業が盛んで、1969年に設立された国策会社のエンブラエルは小型ジェット機市場の半分近いシェアを誇るなど、欧米諸国をはじめとする世界各国へ輸出されており、その他にも自動車金属製品が主な輸出製品となっている。
これら外需の増加に追い風となるとされているのが、メルコスール圏および 自由貿易協定 (FTA) による自由貿易圏の拡大である。メルコスール圏の拡大により約1.3倍の輸出金額押し上げ効果のあったブラジルでは、メルコスールと他の地域協定との間で関税が撤廃されれば更なる恩恵を受けるものと予想されている。アフリカ関税同盟やインドと特恵貿易協定を締結したのを皮切りに、今後もEU中米統合機構カリブ共同体ともFTA実現に向けた交渉を継続しており、実現すれば今後の経済成長に大きな影響を与えるものと考えられている。

今後の課題[編集]

今後の経済成長に関し、とりわけ問題視されているのが財政赤字と通貨膨張(インフレ)である。
債務問題については、プライマリーバランスが黒字化したとはいえ、2003年末時点の公的債務残高はGDPの約59%に達しており、中長期的な経済成長の達成を阻む要因となりかねない。2005年2月時点での債務残高は3,505億ドルに上るなど南米最大の債務国になっており、また過去の債務に対する利払い負担もGDP比で7%を超えている。今後はプライマリーバランスの更なる改善が必要で、公的債務の削減と利払い負担の軽減が急務となっている。
また、通貨膨張抑制に関する為替レート変動も懸念されている。これまでは対外債務削減策に対する信頼を背景として対ドル為替レートがレアル高傾向で推移してきたため、国際商品市況の高騰によるインフレ圧力は抑制されていた。しかし今後、連邦準備銀制度理事会が通貨膨張への懸念により政策金利を急ピッチで引き上げるような事態になればレアルが下落傾向に転じ輸入物価が急騰するといった事態が予想されており、そうなれば、金融政策による通貨膨張制御は困難を極めることになると指摘されている。

ロシア[編集]

ロシアはGDPにおいて、2028年にはドイツを上回り欧州最大の経済国となり、2050年の時点では世界6位となる5兆8,700億ドルになると予測されている。しかし2009年段階でロシアのGDPは世界8位であり、2020年にはすでにイギリス、フランスを抜く可能性も考えられる。

政治的変遷[編集]

1990年代ソビエト連邦崩壊後のロシアではハイパーインフレが襲い、鉱工業生産が落ち込むなど、経済政治社会などの面で大きな混乱が続いた。そうした中で、市場経済化に向けて急進的な経済改革を推し進めたのがロシア連邦の初代大統領ボリス・エリツィンである。エリツィン政権が抜本的な構造改革を断行し、市場経済に基づく民主的な新生ロシアの礎を築いたことにより、今日まで続くロシアの経済発展があったとされる。
ウラジーミル・プーチン1999年12月、エリツィンの突然の辞任を受けて首相から大統領代行に就任し、翌2000年3月の大統領選挙に勝利、ロシア連邦の2代目大統領に就任した。2005年3月の大統領選挙では得票率71%で再選を果たしたのち、2008年5月に大統領の座をドミートリー・メドヴェージェフに譲り、首相に就任した以降も国民からの人気が高く、政治的な影響力を保持した。2012年5月にはプーチンが第4代大統領に就任した。プーチンの経済政策の特徴は、エリツィン同様に市場経済重視の自由主義政策を推進する一方で、エリツィン時代に政治力を強めた新興財閥(オリガルヒ)を弾圧するといった、強権的な側面も併せ持っている。

経済の現状[編集]

1991年の連邦発足後、急速な市場経済移行に伴う経済的混乱から大幅なマイナス成長が続いたほか、1998年にはロシア通貨危機に伴う金融市場の混乱を経験したものの、ルーブル切り下げ効果による輸入代替産業の復調や原油価格の高値での推移を背景として、その後は実質成長率が6年連続で前年比プラスを維持するなど回復傾向を辿っている。
とりわけ、2004年の10月 - 12月期の実質GDP 成長率(前年比+6.7 %)に占める個人消費の寄与度が+6.2 % に達するなど、個人消費はロシアの経済成長にとって大きな原動力となっている。その背景には、原油価格の上昇による石油関連企業の業績の向上が、雇用所得環境の改善に繋がっていることが挙げられ、加えてモスクワなど都市部におけるライフスタイルの欧米化(自動車電化製品などの浸透)の流れも影響しているとみられている。
モスクワにあるガスプロムの本社ビル。天然ガスの生産と販売において世界一の会社である。
サハリン2にて撮影。奥にはLNGタンカーも見える。人物は左から、ファン・デル・フーフェーン(蘭)、ドミトリー・メドヴェージェフ(露)、アンドルー王子(英)、麻生太郎(日)
足元のロシア経済の成長を支える原動力となっているのは、豊富な生産量を誇る原油や天然ガスなどのエネルギー資源で、石油・天然ガス産業は GDP の25%、輸出収入の約55%、国家歳入の約35%を占めるまでになっている。原油価格の暴落を警戒する石油輸出国機構各国が石油生産能力の拡大に慎重なスタンスを採り続けてきた中で、近年ロシアは原油生産をさらに強化しており、原油生産量の推移をみると2003年にはアメリカを抜いて世界2位に、2004年にはサウジアラビアを上回り世界1位となった。こうしたロシアの原油生産の拡大は、原油価格の高騰と相俟って景気回復に寄与してきたとみられている。原油価格の動向と貿易収支の関係をみると、原油価格の上昇は貿易収支の大幅な改善に結びついているという構図があり、加えて、石油や石炭に比べて温暖化ガス硫黄酸化物の排出量が少ない天然ガスに対する世界的な需要が高まるなかで、ロシアの天然ガス埋蔵量は、世界全体の約27%を占めている。また、ロシアはサハリン沖を中心とした天然ガスの開発に注力していることから、今後は天然ガス輸出の増加も、ロシア経済の好調を更に後押ししていくものと見込まれている。
BRICs四カ国の中では唯一人口の減少が予想される(既に毎年70万人前後の数が減少し、30年間で20%減ると予想される)[8]にもかかわらず、これら豊富な資源によってロシア経済は継続的な発展が可能とされており、その他にも、ソ連時代の遺産とも言える、高度な科学技術力による高付加価値の航空宇宙産業軍需産業や、IT産業、高度な教育水準による豊富な人材などにも注目が集められている。

今後の課題[編集]

ロシアの経済成長を妨げる可能性がある要因として、大きく4つの問題が指摘される。
エネルギー資源依存型の経済構造
2004年の輸出に占めるエネルギー資源の割合は約55%に上るなど、ロシア経済はエネルギー部門への依存度が高いモノカルチャー的性格を帯びており、その反面、旧国有企業を中心とした電機、自動車などの製造業は生産性や技術水準が低く、欧米企業と比較すると国際競争力が低い。このように、ロシアではエネルギー部門以外に景気を牽引しうる有力な産業が育っていないため、原油市況が低下に転じれば景気後退に陥るというリスクが大きい。
大都市周辺と内陸部などの地方における所得格差の拡大
好調な経済の恩恵を受ける大都市周辺では中産階級が着実に増加している反面、経済的に立ち遅れている内陸部や極東地域との格差が年々広がりつつある(国の所得格差順リストを参照)。こうした所得格差の拡大は、政治体制に対する不満の高まりなどから社会的混乱を招く可能性があり、安定的な成長を揺るがす要因となりかねない。
税制や官僚機構など
旧くからロシアでは複雑で分かりにくい税制や裁量色が強く公正さに乏しい行政など、法令運用の不透明性が外国企業の自由な経済活動を阻害する要因として指摘されてきた。それらが他国からロシアでの事業活動を進める上での問題点として認識されれば、外国企業による対ロシア直接投資の減少にもつながりかねないという危険を孕んでいる。
少子高齢化と人口減少
近年、出生率は減少し、毎年およそ70万人ずつ人口が減少している。このままのペースで減少が続けば、30年後の2040年頃には2010年頃の人口と比較して20%程度の減少が予想されている。減少する人口を補うため、モスクワなどの大都市圏および、シベリアや極東地域において移民や出稼ぎ労働者の受入れが積極的に行われているが、それが災いして外国人排斥運動やアジア系への人種差別事件も引き起こされている。

インド[編集]

BRICs4カ国の予想人口比較
(2000年の値は実績 単位:1万人)
2000年2010年2020年2030年2040年2050年
中国127,522136,488142,947145,052143,893139,518
インド101,694117,381131,221141,658148,572153,144
ブラジル17,18019,28820,97922,20823,01423,314
ロシア14,56113,75012,90211,97111,04310,146
2028年日本を超え中国・アメリカに次ぐ世界第3位の経済大国となり、2050年の時点ではGDPが27兆8,030億ドルへ上昇しており、アメリカの8割の規模にあることが予測されている。また、人口の面でも2040年には中国を抜いて世界で最も人口の多い国になると予想されている(※右表参照)。しかし、低い識字率と過剰すぎる人口とカースト制度が経済成長の障壁になっており、中国とロシアに比べればはるかに経済成長率は低く、世界3位の経済大国になる予想は外れる可能性が高い。

政治的変遷[編集]

1991年に誕生した国民会議派ナラシマ・ラオ政権は、1947年の建国以来続いていた混合経済体制と呼ばれるインド独自の社会主義的な経済運営の結果として現れた外貨準備高の減少や経済低迷といった現象を受けて180度の政策転換を行い、資本の自由化・各種の規制緩和貿易為替の自由化・公営企業民営化・金融制度の改革等を取り入れた。また1996年以降も、政権政党の交代にもかかわらずラオ政権が推進してきた経済の自由化政策は継承されていった。
2005年の4-5月に行われた総選挙では、政権交代によって経済改革路線の継続が危ぶまれたことから一時的に株価が急落したが、ラオ政権で経済改革を主導したマンモハン・シン元財務相が新しい首相に選出されたことから、新政権に対する金融市場の警戒は薄らいだ。

経済の現状[編集]

インドのIT熱を象徴するTidel Park(チェンナイ
1990年代初頭、深刻な外貨不足を背景とした経済危機に陥り、1991年には成長率が1%台にまで低下したものの、IMFの支援のもと様々な経済安定化政策が実施され、同時に経済の対外開放が進められた結果、1992年以降は概ね5%以上の成長を持続している。
とりわけ近年の高成長は主にIT部門の成長がもたらしている。インドは先進国企業の情報技術導入が進むなかで、コンピューターソフト開発及び販売・欧米企業の情報技術関連業務のアウトソーシングの受注を拡大させている。ITソフトウェア産業は1990年代を通じて年率50%近い成長を遂げ、IT不況を迎えた21世紀に入っても 20%台の順調な成長を続けており、2003年時点では国内GDPの2.6%を占めるまでに至っている。工科系の大学を中心として毎年30万人を超える情報技術者を輩出していることや、労働コストが低廉であること、「0」の発見に象徴されるように伝統的に理数的思考を得意とする民族であること、準公用語英語が含まれていることなどがそれらの要因となっている。
さらに、インド工科大学インド科学大学大学院といった優れた教育機関を卒業後、待遇面の良さなどを背景にアメリカのシリコンバレーなどに移住するインド人技術者は増加傾向にあり、その結果ソフトウェアの輸出と在外居住者からの本国向け送金は、インドの国際収支を支える重要な外貨獲得源となっている。事実、2001年以降はこれにより経常収支は黒字で推移した。
IT産業以外の分野でも、自動車部品・電機・輸送機器といった分野が伸びており、加えて産業規模は小さいもののバイオ医薬品といった産業の発展にインド政府は力を注いでいる。
また、インド経済の成長を支える原動力として、労働力も挙げられる。一国の経済成長を左右する大きな要素の一つである労働力人口に関して言えば、インドの労働力人口は2050年にかけて毎年約1%ずつ増加していくと見込まれており、その豊富な労働力が成長の礎となることが予想されている。また、それらの人口は将来的に実質的な購買力を備えた消費者層(=中間層)となり、有望な消費市場をもたらすものと考えられている。

今後の課題[編集]

インドは、対GDP比が10%近くに達しているにもかかわらず縮小する兆しが見られない財政赤字など、取り組むべき課題が多数指摘されている。
まず、成長の基盤となるインフラ水準が著しく低い点もが挙げられる。電力の供給能力が経済成長に追いついておらず日常的に停電が発生することや、インドの経済成長の主軸とされるIT産業にとって不可欠な通信設備の普及が立ち遅れていることなどがその例である。
農業をはじめとする第一次産業は、2000年代の現在もインド経済の中心を担っている。このことは、農業部門が産業全体の4分の1を占め、農業部門の就業人口は全体の約60%を占めているという事実に象徴される。また農業部門がGDP成長率に及ぼす影響では、一部の例外を除き農業部門が不振であった年は成長率が4%台に押し下げられている。こうした背景には、インド国内の灌漑施設の整備が進んでおらず、農作物の生産高がモンスーンによる降水量に大きく依存していることなどが挙げられる。
また、直接投資の少なさに起因する工業化の遅れが課題とされる。1947年の建国以来、民間企業の活動や外国企業による投資などを規制し、公的部門を温存する政策を維持してきた結果、工業化の進展が中国などと比べても大幅に遅れている。よって製造業によるGDPの押し上げ効果が進展しておらず、また対内直接投資額も少ない。
インドは建国以来敷いてきた各種産業への外資規制が原因となり外資導入の点でもかなり遅れている。1980年代後半以降、第一次産業に関しては徐々に規制緩和が行われているが、製造業など第二次産業に関してはほとんど進展していない。そのため、言語や昼夜逆転の利点に目をつけ、1990年代にこぞってインドに進出し、インドのIT産業の発展を支えた欧米企業の多くが2000年以降は撤退傾向にあり、投資先を中国に乗り換えられた形となっている。
また、インドの衛生管理は極めて劣悪な状態にある。インドでは上水道と下水道が併走していることが多く、そのどちらもが破損しており、下水が水道水に混入し、感染症にかかる事例がしばしば報告され、感染症の宝庫などとされている。日本の外務省もインド渡航者に対して、厳重な衛生面での注意と渡航前のさまざまな予防接種を推奨している[9]
2000年以降ではニューデリーなどの都市部に加え地方における環境汚染も激しさを増している。2013年の世界銀行の調査によればインドの環境汚染レベルは同じBRICsの中国を上回る状態となっている[10]
その他、教育も大きな課題である。インドの教育は極めてエリート主義が強い一方で、中等教育への進学率が半分以下で識字率が6割程度にとどまるなど、他のBRICs諸国と比較しても際立って低い水準にある。教育が人材開発にとって最も重要な手段であり、また学校教育がその後の応用的なあらゆる教育の基礎となる点を考慮し、教育水準の低さが今後の経済成長にとって足枷になると警笛を鳴らす学者も少なくない。
インドは世界3位の経済大国になると予想があるが、上記の課題による影響で予想が外れる可能性も高い。

NPT未加盟の核開発[編集]

インドは核拡散防止条約 (NPT) に加盟せずに核開発を行った国である。原子力供給国グループ (NSG) はインドの核燃料、核技術の輸出入を無条件で例外扱いとして認める採択を行っている。
これに対し、NSG加盟国である日本やヨーロッパ諸国は、インドが核実験を行った場合は例外扱いを取り消すべきだという立場をとっている。

中国[編集]

2005年12月20日中国国家統計局は、国際機関から過小評価されていると指摘のあったGDP値を上方修正し、2004年実績をそれまでの公表数字の16.8%増となる1兆9,317億ドルとした。これによりGDP値でイタリアを抜き、フランスに次ぐ世界6位に浮上した(英統計局が同年12月25日に発表した速報値では、中国は既にイギリスとフランスをも上回っており、世界4位であるとされている)。今後も2008年にドイツを、2017年には日本を、2039年にはアメリカをも上回り、世界最大の経済大国になるとされている。2050年のGDP値は2位のアメリカを大きく上回る44兆4,530億ドルであると予測される。
しかし、最近米国などでは、2040年頃には一時的に中国が米国をGDPで上回るものの、中国内の高齢化などの理由により、再度米国が中国を逆転し、またインドが中国を追い抜くという論議が出て来た。2050年の予想GDP順位は、米国、インド、中国とする専門家もいる。
GDPは2010年に日本を追い抜き世界2位となった。

政治的変遷[編集]

1978年に始まった中国の改革開放政策は、1989年天安門事件によって頓挫したかのように考えられた。そうした状況が一変したのは1992年1-2月に当時の最高実力者であった鄧小平が、深圳上海などを視察した際の南巡講話からである。南巡講話によって沈滞ムードは消え去り、改革開放路線は再び勢いを得ることとなった。
天安門事件直後、鄧小平が総書記に抜擢した江沢民は党内基盤が弱く、当初は短命政権と見られていた。しかし、江沢民は徐々に権力基盤を拡大し、2002年まで13年間に亘る長期安定政権を築いた。この間中国は、香港の返還や北京オリンピック上海万博の招致、WTOへの加盟など数々の実績を挙げ、結果として経済の高度成長に結びついた。
江沢民から2002年に中国共産党総書記、2003年に国家主席の地位を継承した胡錦涛政権は、前政権の政策を踏襲し着実な政策運営を行っている。結果として2003年の実質 GDP は1978年に対して約 9.4 倍にまで拡大しており、今後も、日本が1964年東京オリンピック1970年大阪万博を経て経済大国入りしたのと同様に、2008年の北京五輪と2010年の上海万博による経済効果が期待されている。

経済の現状[編集]

中国経済を象徴する東方明珠塔(上海
貿易の急速な伸びと外国からの直接投資の増加によって支えられている。2002年の貿易総額は6,208億ドルで前年に比べ約22% 伸び、貿易黒字は304億ドルを計上、外国からの投資合計額も550億ドルに上っている。そのうち華人地域からの投資が半分を超え、中国経済を支えている。対世界の発展途上国向け直接投資の3割、日本を除いた対アジア向け直接投資の5割を占めている。また、2003年には契約金額ベースで535億ドルと、初めてアメリカを抜き、ルクセンブルクに次ぐ投資受け入れ国となった。結果として中国の外貨準備高は、1992年の194億ドルから2004年末には6,099億ドルまで膨れ上がっており、日本を超え世界最大の外貨保有国となっている。
また、2002年以降、中国経済は新たな高度経済成長期に入り、居住や交通条件の改善といった消費構造が高度化し、住宅通信自動車などの成長産業が新たな高度経済成長を引っ張る主導産業となった。この高度成長は産業構造の高度化や体制刷新、2001年のWTO加盟を含め一層の広がりを見せる対外開放などを背景に比較的長期間続くものと見られている。国家統計局は、経済構造調整の結果として珠江デルタ、長江デルタ、環渤海地区、東北の旧工業地帯が多極的に発展する枠組が形成されつつあり、中国経済の発展に大きな余地がもたらされ、さらに農業の産業化、伝統工業の改造、ハイテクノロジー産業とサービス産業の発展が中国経済に新たな活力を注入すると同時に経済成長に対して新たな原動力を提供しており、2020年までの7%成長は充分見込めるとしている。

今後の課題[編集]

中国では貧富の格差が拡大している。この格差は都市住民と農村住民の所得格差、地域の所得格差、業種の所得格差など様々な面における格差拡大によって引き起こされたものである。都市農村での所得格差は、1978年 - 1985年には農村改革が重点であったことから、平均所得の比率は2.57:1から1.85:1に縮小した。しかし、改革の重点が都市に移るとこの比率は年々拡大を始め1994年には2.86:1にまで広がった。1995年から1998年までは一旦減少するものの、それ以降は再び拡大を始め、2001年には改革開放以来最高となる2.92:1となり、ジニ係数も一般的に警戒ラインとされる0.4を超えた。また、地域間においても格差は顕著に広がっている。東部と中部、東部と西部での GNP の差は1990年時点ではそれぞれ898と1,079元であったのに対し、1995年には3,539元と4,203元に、2000年には5,352元と6,674元にまで拡大した。西部地域のGDPは東部地域のGDPのわずか40%の水準となっており、とりわけ貴州省上海市との差は12倍を超えている。今後は西部大開発東北新興などの対策に格差改善の期待が寄せられている。また、業種の所得格差も拡大した。不動産金融保険といった最高所得の部類と、飲食サービス業・製造業採掘業などの最低所得部類とを比較すると、その所得の比は1990年の1.72:1から1999年の2.63:1に拡大した。
また、電力において近年は毎年15%近く使用量が伸び続けており、電力不足が深刻化しつつある。エネルギー多消費産業の素材業種で投資・生産活動が拡大したこと、経済発展に伴う家電製品普及率の上昇によるもので、今後もこの増加傾向は変わらないものと見られている。中国政府も三峡ダム建設などの対策は講じているものの、この電力不足が長く続くようであれば、成長の原動力となっている外国企業誘致にも支障をきたすことが懸念されている。
さらに、2005年7月より実施された人民元改革の影響も不透明である。元の切り上げによる元高により海外で中国製品の価格が上昇するため、海外から中国への進出企業は減少し、同時に輸出量の減少を招く。経済成長の原動力とも言える大量生産・大量輸出の陰りは、中国にとっては大打撃となる。また、輸出品の価格が上昇するのに対し輸入品の価格は下がるので、元来非効率な生産方式を採っていた農業従事者などの間からは失業者が出てくることが予想される。今後もアメリカなどから一層の切り上げ要求が予想される。

高齢化・環境破壊[編集]

2000年の調査では、中国の60歳以上の人口は1億5,000万人 - 2億人に達したといわれている。今後、高齢者の医療・介護が深刻な問題として浮上してくる。また、急激な経済成長がもたらす、光化学スモッグ、CO2の増大など温暖化に伴う砂漠化の広がり(北京の40kmまで砂漠が接近している)、周辺国やアメリカ西海岸まで飛来する黄砂や大気汚染[11]、日本海に押し寄せ、深刻な漁業被害を与えているエチゼンクラゲの問題など、緊急な課題が山積している。

南アフリカ[編集]

政治的変遷[編集]

1994年アパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃され、それまで土地を持つことができなかった黒人が経済発展により住宅を購入するようになった。 また2010年FIFAワールドカップ開催のため、国内のインフラが急速に整備された(経済効果4,700億円)。

経済の現状[編集]

白金等の貴金属レアメタルが産出され、白金は世界シェア75%を誇る。

今後の課題[編集]

アパルトヘイトが撤廃されたが、地域・階層による貧富の格差は未だ著しく、エイズの流行に歯止めがかからない状況である。隣接国からの経済難民の流入により、治安が著しく悪い。

世界経済への負の影響[編集]

5カ国の世界経済への影響力がますます強まる中で、その発展の副作用としての世界経済へのマイナス影響も無視できなくなるとされている。
需要の大幅な増加によるエネルギー不足
中国国内での需要増加による2005年頃からの原油高に象徴されるように、今後さらに他の4カ国の成長につれてエネルギーはますます不足していくもの考えられている。そのような事態になれば必然的に世界各国は資源獲得に動き出すことになり、それゆえの新たな国際摩擦を生み出す可能性がある。
環境の悪化
アメリカの政府機関であるエネルギー情報管理局によれば、2025年の二酸化炭素排出量は、2001年から2025年の間の増加率は、ブラジルが3.7%、ロシアが2.3%、インドが3.6%、中国が4.0%で、2025年の時点ではそれぞれ833万トン、2,784万トン、2,152万トン、7,821万トンにまでのぼり、世界の総排出量の約32%を占めるとされている。ロシアを除く4カ国は京都議定書の対象国となっておらず、地球温暖化問題にさらなる拍車をかけるものと予想されている。
金融の混乱
BRICs諸国のうちブラジル、南アフリカ以外の国は管理変動相場制を採用し、外国為替市場管理を行っている。経済規模が拡大し投資や世界貿易における比重が高まる中で、柔軟性を欠いた為替相場は国内金融市場の不安定化や対外不均衡の拡大を招くことになる。また、BRICs諸国の拡大は海外からのポートフォリオ投資をさらに増大させることにつながり、硬直的な為替制度や脆弱な国内金融システムの下で投機の膨張と縮小を引き起こす可能性が高くなる。結果として世界のマネーフローが大きく変わり、世界規模で金融システムが安定性を失い、経済の混乱を招くと指摘されている。

2050年のGDP予測[編集]

ゴールドマン・サックス[編集]

アメリカの投資銀行であるゴールドマン・サックス(以下GS)では、2050年における世界各国のGDPを次のように予測している。

2003年発表[編集]

BRICsは人口の増加、資本の増加、労働生産性の増加などを起因として経済成長を成し遂げ、2004年にはいずれも5 - 9%台の成長を果たすなど、近年では世界平均を上回る高水準の成長を記録している。今後はさらに資本蓄積・技術革新による生産性上昇なども見込まれており、IMFの予測によると2005 - 2006年にかけても、中国の8%台を筆頭に、軒並み高い成長を維持する見込みとされている。
結果として、2006年5月の時点で世界のGDPの約8%を占めるに過ぎないその経済規模は、2039年に経済大国G6(米国、日本、ドイツ英国フランスイタリア)にスペインを加えた合計を上回り、2050年時点でのGDPは下表のように順位が入れ替わると予想した[12]。これにより米国一極支配が崩れるとされている。
名目GDP値 (単位:10億ドル)
順位12345678
2004年
実績値
国名アメリカ日本ドイツイギリスフランス中国イタリアスペイン
GDP値11,7334,6682,7072,1262,0181,9321,6811,180
2012年
実績値
国名アメリカ中国日本ドイツフランスイギリスブラジルイタリア
GDP値15,6538,2505,9843,3672,5802,4342,4251,980
2050年
予測値
国名中国アメリカインド日本ブラジルロシアイギリスドイツ
GDP値44,45335,16527,8036,6736,0745,8703,7823,603

2007年発表[編集]

2007年3月28日のレポートでは[13]BRICs諸国が軒並み高成長を続けていることを根拠に、2003年の予測は「控えめ過ぎたくらいだ」[14]として、2050年のGDPは下表の順位になるとしている。同社の数値や順位は調査年ごとに入れ替わることがある。2007年4月17日のレポート[15]では、2050年の中国のGDPがアメリカの2倍以上の80兆ドル近くになると予測している。
順位123456789101112131415
国名中国アメリカインドブラジルメキシコロシアインドネシア日本イギリスドイツナイジェリアフランス韓国トルコベトナム
GDP(兆ドル)70.738.537.611.39.348.587.016.675.135.024.644.594.083.943.60

日本経済研究センター[編集]

日本経済研究センターが2008年1月17日に発表した購買力平価ベースのGDP予測[16]では、中国の急成長は暫く続き、2020年頃には世界最大の経済規模になるが、高齢化などを理由に成長率が鈍化し、2050年頃には僅かながら米国が抜き返すとしている。
1位: アメリカ 2位: 中国 3位: インド

プライス・ウォーターハウス・クーパース[編集]

世界最大の会計・コンサルティング会社であるプライス・ウォーターハウス・クーパースが、2008年3月4日に発表した予測[17]では、2025年前後に中国が米国を抜き、世界最大の経済規模になる可能性が高く、その後も成長を続け2050年までには米国より30%大きくなり、インドは2050年までに米国の90%の規模に成長するとしている。また、ブラジルは2050年までに日本を抜き世界4位に躍り出て、ロシア、メキシコ、インドネシアもドイツや英国を抜く力を潜在的に持っていると予測している。
1位: 中国 2位: アメリカ 3位: インド 4位: ブラジル 5位: 日本 6位: ドイツ・英国・ロシア・メキシコ・インドネシア

その他[編集]

インドの順調な経済成長から近い将来、同国が日中独を抜いて米国に次ぐ経済大国になるという分析が、インドのエコノミストから出ている[18]

予測への異論[編集]

GS社の1人の若い女性社員が作成した、50年も先を予測した報告書に疑問点がないわけではない。同社の2005年12月1日のレポート[19]では、韓国の2025年のGDPは、世界8-9位になるとしたものの、予想は外れ、2007年の同社のレポートでは、12位に下方修正している。ドイツの2050年のGDPも欧州最大の8位になるとしていたが、2007年版では英国などと順位を入れ替え10位に下方修正した。日本についても、8兆ドル強との予測を覆し、6.7兆ドル弱に変えている。また、開発金融研究所のレポート[20]では、GS社の予測は楽観的過ぎるとして、その理由に為替レートの引き上げ問題などを挙げている。GS社は中国の為替レートは2032年までに2.63倍、インドは2.19倍に切り上がることを前提にしている。しかし、例えばインド経済が約20年で2倍以上の為替レートの上昇に耐えられるのか疑問視している。ちなみに、2003年の為替レートをベースに日本の成長率が1%以上(1%未満の成長率をすべて1%に直して計算)であるとして推計すると、インドが日本に追いつくのが2048年頃で、2050年日本のGDPは7.5兆ドルで、インドの7.3兆ドルを依然として上回っているとする見方もある。

2050年までのG7・BRICS・NEXT11のGDPの推移[編集]

国内総生産 (為替レート) [2006-2050] (百万ドル)[21]
RankCountry2006201020152020202520302035204020452050
1アメリカ合衆国の旗 アメリカ13,245,00014,535,00016,194,00017,978,00020,087,00022,817,00026,097,00029,823,00033,904,00038,514,000
2日本の旗 日本4,336,0004,604,0004,861,0005,224,0005,570,0005,814,0005,886,0006,042,0006,300,0006,677,000
3ドイツの旗 ドイツ2,851,0003,083,0003,326,0003,519,0003,631,0003,761,0004,048,0004,388,0004,714,0005,024,000
4中華人民共和国の旗 中国2,682,0004,667,0008,133,00012,630,00018,437,00025,610,00034,348,00045,022,00057,310,00070,710,000
5イギリスの旗 イギリス2,310,0002,546,0002,835,0003,101,0003,333,0003,595,0003,937,0004,344,0004,744,0005,133,000
6フランスの旗 フランス2,194,0002,366,0002,577,0002,815,0003,055,0003,306,0003,567,0003,892,0004,227,0004,592,000
7イタリアの旗 イタリア1,809,0001,914,0002,072,0002,224,0002,326,0002,391,0002,444,0002,559,0002,737,0002,950,000
8カナダの旗 カナダ1,260,0001,389,0001,549,0001,700,0001,856,0002,061,0002,302,0002,569,0002,849,0003,149,000
9ブラジルの旗 ブラジル1,184,0001,698,0002,220,0003,067,0004,009,0005,557,0007,263,00010,106,00013,208,00017,262,000
10ロシアの旗 ロシア982,0001,371,0001,900,0002,554,0003,341,0004,265,0005,265,0006,320,0007,420,0008,580,000
11インドの旗 インド909,0001,256,0001,900,0002,848,0004,316,0006,683,00010,514,00016,510,00025,278,00037,668,000
12大韓民国の旗 韓国887,0001,071,0001,305,0001,508,0001,861,0002,241,0002,644,0003,089,0003,562,0004,083,000
13メキシコの旗 メキシコ851,0001,009,0001,327,0001,742,0002,303,0003,068,0004,102,0005,471,0007,204,0009,340,000
14トルコの旗 トルコ390,000440,000572,000740,000965,0001,279,0001,716,0002,300,0003,033,0003,943,000
15インドネシアの旗 インドネシア350,000419,000562,000752,0001,033,0001,479,0002,192,0003,286,0004,846,0007,010,000
16イランの旗 イラン245,000312,000415,000544,000716,000953,0001,273,0001,673,0002,133,0002,663,000
17パキスタンの旗 パキスタン129,000161,000206,000268,000359,000497,000709,0001,026,0001,472,0002,085,000
18ナイジェリアの旗 ナイジェリア121,000158,000218,000306,000445,000680,0001,083,0001,765,0002,870,0004,640,000
19フィリピンの旗 フィリピン117,000162,000215,000289,000400,000582,000882,0001,353,0002,040,0003,010,000
20エジプトの旗 エジプト101,000129,000171,000229,000318,000467,000718,0001,124,0001,728,0002,602,000
21バングラデシュの旗 バングラデシュ63,00081,000110,000150,000210,000304,000451,000676,0001,001,0001,466,000
22ベトナムの旗 ベトナム55,00088,000157,000273,000458,000745,0001,169,0001,768,0002,569,0003,607,000
The five largest economies in the world in 2050, measured in GDP nominal (millions of USD), according to Goldman Sachs.[21]
1人当国内総生産 (為替レート) [2006-2050] (ドル )[21]
RankCountry2006201020152020202520302035204020452050
1アメリカ合衆国の旗 アメリカ44,37947,01450,20053,50257,44662,71769,01976,04483,48991,683
2イギリスの旗 イギリス38,10841,54345,59149,17352,22055,90461,04967,39173,80780,234
3カナダの旗 カナダ38,07140,54143,44945,96148,62152,66357,72863,46469,53176,002
4フランスの旗 フランス36,04538,38041,33244,81148,42952,32756,56262,13668,25275,253
5ドイツの旗 ドイツ34,58837,47440,58943,22345,03347,26351,71057,11862,65868,253
6日本の旗 日本34,02136,19438,65042,38546,41949,97552,34555,75660,49266,846
7イタリアの旗 イタリア31,12332,94835,90838,99041,35843,19544,94848,07052,76058,545
8大韓民国の旗 韓国18,16121,60226,01229,86836,81344,60253,44963,92475,97990,294
9メキシコの旗 メキシコ7,9188,97211,17613,97917,68522,69429,41738,25549,39363,149
10ロシアの旗 ロシア6,9099,83313,97119,31126,06134,36843,80054,22165,70878,576
11ブラジルの旗 ブラジル5,6578,94111,10214,68718,22524,16430,91042,10953,91169,051
12トルコの旗 トルコ5,5456,0057,4609,29111,74315,18820,04626,60234,97145,595
13イランの旗 イラン3,7684,6525,8887,3459,32812,13915,97920,74626,23132,676
14中華人民共和国の旗 中国2,0413,4635,8378,82912,68817,52223,51130,95139,71949,650
15インドネシアの旗 インドネシア1,5081,7242,1972,8133,7115,1237,36510,78415,64222,395
16フィリピンの旗 フィリピン1,3121,6882,0752,5913,3724,6356,6789,81514,26020,388
17エジプトの旗 エジプト1,2811,5311,8802,3523,0804,2876,2879,44314,02520,500
18ナイジェリアの旗 ナイジェリア9191,0871,3321,6652,1612,9444,1916,1178,93413,014
19インドの旗 インド8171,0611,4922,0912,9794,3606,5249,80214,44620,836
20パキスタンの旗 パキスタン7788971,0501,2601,5682,0352,7443,7755,1837,066
21ベトナムの旗 ベトナム6551,0011,7072,8344,5837,24511,14816,62323,93233,472
22バングラデシュの旗 バングラデシュ4275106277901,0271,3841,9172,6983,7675,235

類義語[編集]

IBSAC[編集]

インド、ブラジル、南アフリカ共和国、中国の英語の名前の頭文字[22]を繋げた造語。これは、ロシアが新興国として扱われることに抵抗感を持っていること、南アフリカとの関係強化を目指すイギリスがその知名度を高めておきたかったことなどから、2005年2月のG7において議長国のイギリスにより発表されたものである。

Next Eleven[編集]

BRICsの名付け親、ゴールドマン・サックス社は2005年に出した予測で、BRICsに続く経済大国予備軍「Next Elevenネクストイレブン」として、韓国バングラデシュエジプトインドネシアイランナイジェリアパキスタンフィリピントルコベトナムメキシコの11カ国を示した。

LEMs[編集]

国際経済研究所の「The United States and the World Economy(2005年1月)」では、BRICsおよび南アフリカの5カ国にアルゼンチン、インドネシア、韓国、メキシコ、サウジアラビア、トルコを加えた計11カ国が、今後の世界経済に大きな影響を及ぼす LEMs[23]として取り上げられている。これらの国は全てG20の一員でもある。

VTICs[編集]

2006年9月4日付けの日本経済新聞にて紹介された造語。BRICs からブラジルとロシアを省き、代わりにベトナムとタイを加えたもの[24]。ブラジルが日本から地理的に遠いこと、ロシアに投資するリスクが高いことと、日本企業の中国投資の変更先としてこの2国が注目され始めていることから言われるようになったが、一般的な知名度は非常に低い。

VISTA[編集]

BRICs経済研究所のエコノミスト門倉貴史がBRICsに続くグループとして2006年11月に提唱した造語。同年12月には日本経済新聞にも引用された。ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの英語の国名の頭文字を繋げたもの[25]。地理的なバランスと高成長のための条件、すなわち豊富な天然資源、労働力の増加、外資の導入、政情の安定、購買力のある中産階級の台頭を勘案して、新興国からポスト BRICs の候補が選出されている。

MEDUSA[編集]

BRICs経済研究所のエコノミスト門倉貴史がBRICsに続くグループとして2008年1月に提唱した造語。マレーシアエジプトドバイサウジアラビアの4カ国[26]の英語の名前の一部を繋げたもの。いずれもイスラム教国でありイスラム金融が浸透している新興国のグループ。

E7[編集]

PwCが公表した報告書に記された7国(中国、インド、ブラジル、メキシコ、ロシア、インドネシア、トルコ)。

CIVETS[編集]

HSBCホールディングスが提唱した造語。コロンビア、インドネシア、ベトナム、エジプト、トルコ、南アフリカの6カ国[27]からなる。

JIBS[編集]

アメリカのコンサルティング企業であるユーラシア・グループのイアン・ブレマーが提唱した造語。20世紀にアメリカと共に発展してきたが21世紀には衰退が始まっている日本、イスラエル、イギリス[28]をグループ化した。これらの国は近隣諸国の発展に伴い地政学的な問題を引き起こすリスクがある点も共通しているという[29]

出典・脚注[編集]

  1. ^ : Brazil, Russia, India, China and South Africa
  2. ^ Building Better Global Economic BRICs - Goldman Sachs, Global Economics Paper No:66
  3. ^ 新興国の成長が2050年に向けて世界経済を牽引する - ダイヤモンド・マネー08年新春版, 2007/12/1
  4. ^ Dreaming with BRICs:The Path to 2050 - Goldman Sachs, Global Economics Paper No:99
  5. ^ BRICs(ブリックス)とは? - やさしい経済講座 - Exciteマネー/FXプライム (2010/3/12 現在)
  6. ^ BRICs から BRICSへ - 新興国の結束強化、ウォールストリートジャーナル日本版 2011年4月13日
  7. ^ EDUARDO PORTER (2007年12月9日). “China Shrinks”. New York Times. 2009年4月4日閲覧。(抄訳)NYタイムズ2007年12月9日 China Shrinks By EDUARDO PORTER「編集手帳:縮小する中国経済規模」 最近中国の経済規模が縮小したのだが、殆どの人はそれを知らない。中国経済の規模は以前に推定されていたものよりも40%小さくて6兆ドル(以前の推定は10兆ドル)である。何故そんな大幅な推定値の変化がおきたのかといえば、中国の購買力平価 (ppp) を推定することをやり直したためである。北京のレストランのヌードルが40元で、同じようなNYのレストランでは$4であるとすればヌードルのpppはドルあたり10元ということになる。多様な製品やサービスについて、同じような比較と計算を行いpppを決めることになるのだが、世界銀行は中国のpppを1980年の調査を元に計算していた。今回世界銀行が調査をやり直し、その結果はまだ発表されていないが、カーネギー平和財団のアルバート・カイデル氏がアジア開発銀行のデータを元に同様の試算を行っている。簡単に言えば、中国の物価は以前に推定されていたよりも高く、北京のレストランのヌードルは実際には50元で、pppは(10ではなく)12.5元・ドルになるという具合である。この結果、中国は以前に推定されていたよりも貧しく、経済規模は小さいということになる。この結果、世界銀行基準の貧困ライン(1日あたり1ドル以下で生活する)以下の中国人の総数は1億人から3億人に増えることになる。つまり、アメリカの総人口と同じ位の貧困ライン以下の生活者がいることになる(後略)。
  8. ^ a b 門倉貴史 (2006年6月26日). “ロシアの人口減少は日本より深刻 -「BRICsの素顔」”. 日経ビジネス オンライン. 2009年4月4日閲覧。
  9. ^ 外務省:世界の医療事情
  10. ^ インド、環境汚染の年間損失800億ドル GDPの5.7%に匹敵 - SankeiBiz 2013年8月20日
  11. ^ 「東西逆転」(プレストウィッツ、NHK出版)
  12. ^ BRICs+ネクスト11」完全ガイド”. ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント. 2009年4月4日閲覧。
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  24. ^ : Vietnam, Thailand, India and China
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  26. ^ : Malaysia, Egypt, Dubai and Saudi Arabia
  27. ^ : Colombia, Indonesia, Vietnam, Egypt, Turkey and South Africa
  28. ^ : Japan, Israel and Great Britain
  29. ^ [1]

関連書物[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]


http://ja.wikipedia.org/wiki/BRICs

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