2014年1月1日水曜日

異色の中国実業家がNYT買収へ 株主と5日から交渉、CNNなどもターゲット

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  • MSN Japan 産経ニュース

    異色の中国実業家がNYT買収へ 株主と5日から交渉、CNNなどもターゲット

    2014.1.1 15:32
     【上海=河崎真澄】中国共産党機関紙、人民日報が運営する「人民網」などは1日、中国人実業家の陳光標氏(45)が米紙「ニューヨークタイムズ(NYT)」の買収交渉を5日から始めると伝えた。陳氏は江蘇省を拠点に環境保全ビジネスで財を成したが、昨年8月には、安倍晋三首相に靖国神社を参拝しないよう求める意見広告をNYTに出すなど、反日的で異色な行動をとる男として知られる。
     陳氏は上場企業であるNYTの株主と5日にニューヨークで交渉を行う予定だという。陳氏側はNYTの企業価値を10億ドル(約1050億円)とみなしているが、NYTの株価ベースの時価総額は昨年末段階で約24億ドルと、開きがある。
     株主が陳氏にNYTの株式を売却するかどうか不透明だが、陳氏は買収交渉が不成功の場合は、市場でNYTの株式を買い集めるなどの手法で支配力を高める意向だという。陳氏はNYT以外で、ワシントン・ポストやウォール・ストリート・ジャーナル、CNNなど有力な米報道機関の買収にも意欲を見せている。
     陳氏はリサイクル事業などで成功。個人資産は2012年段階で7億4千万ドルとされる。震災被災地向けの慈善活動でも知られている。一方で、12年には8月に、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の中国領有権を主張する意見広告をNYTに出したり、同年9月に暴徒化した反日デモで日本車を襲撃された中国人に対して、中国車を贈呈したりした。

    関連ニュース




    中国人のワイナリー買収 「ワインの聖地」歓迎と戸惑い 仏ボルドー
    2013.9.21 07:00 (1/4ページ)鼓動
    ワイナリー「シャトー・ラトゥール・ラガンス」の畑で、ブドウの実り具合を確認する現地マネージャーのスーラ氏
    ワイナリー「シャトー・ラトゥール・ラガンス」の畑で、ブドウの実り具合を確認する現地マネージャーのスーラ氏
     中国人の「ワイン熱」が世界的産地のフランス南西部ボルドーを覆っている。富裕層が近年、ワイナリー(醸造元)の買収に次々と乗り出し、中国はボルドー産ワインの最大輸出先ともなった。経済発展を果たした国民が文化的豊かさを求め、その象徴として高級ワインに関心が集まっているようだ。地元ボルドーは新たな投資家、顧客を歓迎するが、このブームが「成熟したワイン文化」に脱皮できるかどうかも注視している。(ボルドー 宮下日出男、写真も)
     ボルドー中心部から車で約1時間。収穫期を控え、青々としたブドウ畑が一面に広がるなか、小さな城のような屋敷が現れた。ワイナリー「シャトー・ラトゥール・ラガンス」。中国の大手企業グループが2008年、大陸中国の投資家として初めて買収したワイナリーだ。
     現地マネジャーのジャン・バチスト・スーラ氏によると、ワイナリーの買収価格は120万ユーロ(約1億6千万円)。前所有者の下で荒れた醸造設備や畑の整備に80万ユーロを投じ、16世紀建築の屋敷も220万ユーロかけて改修中だ。取引先用の迎賓館として使うためだ。
     オーナーは企業グループの社長令嬢である30歳の中国人女性。「ワインをつくりたい」というワイン愛好家の娘の願いを父親がかなえた。スーラ氏は醸造施設の真新しいタンクや、配線が壁から垂れ下がった工事中の屋敷内を案内しながら、「そのためにゼロから整備したと思ってもらっていい」と語った。


      豚に特別な思い… 中国の豚肉企業買収、米議会が「待った」
      2013.8.3 08:43 (1/2ページ)新帝国時代


       米国の首都ワシントンDCから南に車で3時間ほど。チェサピーク湾河口そばに位置するバージニア州スミスフィールド市では最近、ダークスーツに身を包んだ男性らが闊歩(かっぽ)する姿が散見される。人口1万人に満たない地方都市に不釣り合いな面々は金融都市ニューヨークからの訪問客だ。
      供給追いつかぬ中国

       彼らはスミスフィールド市に本拠地を置く世界最大の豚肉生産企業、米スミスフィールド・フーズに雇われたM&A(合併・買収)を専門とする銀行家、弁護士、広報マンらである。
       同社は今年5月、中国食肉大手の双匯(そうかい)国際から47億ドル(約4700億円)で買収提案を受けた。ところが米議会などから「待った」がかかっているため、対応策を協議しているのだ。
       双匯は経済成長に食の供給が追いつかない中国の豚肉調達元としてスミスフィールドに注目した。上海の食品業界関係者によると、食用に飼育されている豚は世界で約10億匹で、このうち半分の5億匹前後は中国で占められる。2位以下の米国やブラジルなどとは大きく差が開いている。
      庶民の最高の食べ物

       なぜ米国の会社を買収しようとしているのか。そこには豚に対する中国人の特別な思いが詰まっている。
       


      中国企業の買収劇に欧米流の老練さあるか

      2013.7.11 13:19 (1/2ページ)
       日本企業の経営によき刺激を与え、真の国際競争力を付けさせるには、外国企業による買収もやむを得ない時代だ。一方、中国企業による企業買収が話題になる中、買収の手法や後の展開をみると、欧米多国籍企業のほうが老練だ。(フジサンケイビジネスアイ
       日産自動車は日本の企業だ、と多くの人はいまでも思う。しかし、日産はフランスの企業に実質買収され、ルノー傘下に入ってもう15年近くになる。
       「企業買収」や「外資系」をほとんど感じさせないこのこと自体、欧米企業による企業買収と、日本企業との関係構築の上手さを表すものだ。つまり、実質買収された企業関係者だけではなく、日本社会や日本人を納得させるものがあったからだ。
       1999年、2兆円あまりの有利子債務を抱えて倒産寸前だった日産から、第三者割当増資を引き受けたのはルノーだ。この資本参加により、ルノーは日産株の36.6%を取得し、日産を実質傘下に収めた。しかし、出資率は3分の1を超えるが、必要最低限に抑えられた投資ということがわかる。議決権を確保して、経営の再建に取り組むと同時に、リスクを抑え資本参加先の実力と将来性を探るものだ。

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    • 中国企業の買収に現地反発「ニュージーランド人の心をえぐった」

      2013.7.4 07:57 (1/2ページ)
       相手企業の経営資源を獲得するため、あるいは相手市場により早く参入するために、国際ビジネスの現場では企業買収が重要な手段になりつつある。一方、急速に成長し、勢いのある企業は、さらなる成長を狙って提携していたパートナー企業を買収してしまうことがあるが、相手側の心情にも配慮しなければ、その後の運営に支障を来すことがある。(フジサンケイビジネスアイ
       昨今、中国企業が日本のある企業の一部事業を買収したが、買収された側の幹部社員たちの複雑な心境について、少なくとも公的な場では多くは語られないのが日本社会の特質だ。しかし、同じ中国企業が昨年、ニュージーランドの老舗企業を丸ごと買収した際、現地では思わぬ反応が見られた。
       「ニュージーランド企業の歴史や成果、組織文化を十分に尊重している」「買収後も従来の経営陣を維持し、その独立経営を保持」と中国企業側が相手側や現地社会にアピールしたが、「前掲記述を変更する権利を保留」とも記されている。
       株式の公開買い付けが90%を超えた段階で、まだ売り渡しに応じていない株主に対する通知は「あなたたちの株は強制的に買収される」という内容だった。合法的な手続きとはいえ、穏やかならぬ株主側の心情は容易に想像できる。
       特に興味深いのは、ニュージーランド在住の中国人が現地社会で取材し、庶民の声をありのままに伝えたことである。「われわれはこの現実を受け入れなければならないが、感情は別だ」「3代続けてこのニュージーランド企業の製品を使ってきた。命同然だ」と。そして2012年10月に発信された記事のタイトルは「中国企業はニュージーランド人の心をえぐった」である。

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