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シロスタゾール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
IUPAC命名法による物質名 | |
---|---|
6-[4-(1-cyclohexyl-1H-tetrazol-5-yl)butoxy]- 3,4-dihydro-2(1H)-quinolinone | |
臨床データ | |
商品名 | プレタール |
AHFS/Drugs.com | monograph |
MedlinePlus | a601038 |
胎児危険度分類 | C(US) |
法的規制 | ? |
投与方法 | 経口 |
薬物動態的データ | |
血漿タンパク結合 | 95–98% |
代謝 | 肝臓 (CYP3A4やCYP2C19による) |
半減期 | 11–13 時間 |
排泄 | 腎臓 |
識別 | |
CAS登録番号 | 73963-72-1 |
ATCコード | B01AC23 |
PubChem | CID 2754 |
DrugBank | DB01166 |
ChemSpider | 2652 |
UNII | N7Z035406B |
KEGG | D01896 |
ChEBI | CHEBI:31401 |
ChEMBL | CHEMBL799 |
化学的データ | |
化学式 | C20H27N5O2 |
分子量 | 369.46 g/mol |
シロスタゾール(英:Cilostazol( /sɪˈlɒstəzɒl/))は慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症)の治療や、ラクナ梗塞などの脳梗塞後の再発を防ぐために用いられる抗血小板薬である。大塚製薬からプレタール(Pletal)の商品名で販売されている。鬱血性心不全がある場合は、その症状を悪化させる恐れがあることから、禁忌となっている。
作用機序[編集]
シロスタゾールはcAMPの分解に関わる3型ホスホジエステラーゼ(PDE3)に選択的に働くことで、cAMPによりプロテインキナーゼA(PKA)の活性型が増え、血小板の凝集を抑制する。PKAには平滑筋の収縮に関わっているミオシン軽鎖キナーゼを抑える働きがあるため、血管拡張作用も引き起こす。
臨床[編集]
シロスタゾールは慢性動脈閉塞症による潰瘍や間欠性跛行などの症状の改善させる目的や、ラクナ梗塞などの心原性脳梗塞以外の脳梗塞後の治療で用いられる。通常の服用量は1回100mgの一日2回服用である。脳梗塞の再発防止効果に関しては、アスピリンとの比較試験(CSPS II)において出血合併症を増加させることなく有意に脳血管疾患を予防することがわかっている[1]。
心不全がある場合[編集]
シロスタゾールを鬱血性心不全の患者に使用した場合の長期予後は明らかになっていないが、他のPDE阻害薬であるミルリノンやベスナリノンを高度の心不全患者に用いたプラセボ対照長期比較試験において、生存率がプラセボよりも低かったこと[2][3]から、鬱血性心不全の患者に対するシロスタゾールの使用は禁忌となっている。
副作用[編集]
相互作用[編集]
シロスタゾールはシトクロムP450の1種であるCYP3A4 やCYP2C19によって代謝を受けるので、CYP3A4を阻害するイトラコナゾールやケトコナゾール、エリスロマイシン、ジルチアゼム、それにCYP2C19を阻害するプロトンポンプ阻害薬のオメプラゾールはシロスタゾールの活性型の濃度を上昇させることが知られている[4]。また、グレープフルーツジュースも血中濃度を上昇させるという報告がある[5]。
出典[編集]
- ^ 内山真一郎 (2010). “脳梗塞患者におけるシロスタゾールとアスピリンのランダム化比較試験(CSPS II)の成績”. 臨床神経 50 (11). PMID 21921460 .
- ^ Milton Packer et al (1991). “Effect of Oral Milrinone on Mortality in Severe Chronic Heart Failure”. the New England Journal of Medcine 325 (21): 1468-1475. doi:10.1056/NEJM199111213252103. PMID 1944425.
- ^ Jay N. Cohn et al (1998). “A Dose-Dependent Increase in Mortality with Vesnarinone among Patients with Severe Heart Failure”. the New England Journal of Medcine 339 (25): 1810-1816. doi:10.1056/NEJM199812173392503. PMID 9854116.
- ^ a b “Cilostazol: Official FDA information, side effects and uses.”. Drugs.com (2008年2月). 2008年9月22日閲覧。
- ^ Taniguchi K, Ohtani H, Ikemoto T, Miki A, Hori S, Sawada Y (October 2007). “Possible case of potentiation of the antiplatelet effect of cilostazol by grapefruit juice”. J Clin Pharm Ther 32 (5): 457–9. doi:10.1111/j.1365-2710.2007.00844.x. PMID 17875111.
外部リンク[編集]
http://www.otsukaelibrary.jp/di/prod/product/file/po5/po5bnotk.pdf
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