2014年7月17日木曜日

高脂血症とは





①高脂血症とは?
 高脂肪血症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪が増加した状態です。コレステ ロールは、ホルモンの材料になったり、細胞膜を作る、脂肪の吸収を助ける、といった働 きがあり、中性脂肪はエネルギー源として働きますが、過剰になるとからだに障害をもたらします。糖尿病と同様に自覚症状に乏しく、動脈硬化によって重篤な病気を引き起こすのが特徴です。現在患者数は約700万人いるといわれており、増加傾向にあります。
  
 
②高脂血症の原因
 高脂血症は、食べ過ぎ(コレステロールの場合はコレステロール分の摂取過剰、中性脂肪の場合は全体的な食べ過ぎ)、アルコールの飲み過ぎ(中性脂肪)、運動不足に遺伝的素因が関与して発症します。また糖尿病では中性脂肪の産生が増加し、喫煙者ではHDLコレステロール(善玉コレステロールと呼ばれ、動脈硬化を予防する働きがある)が低下します。
 
③高脂血症の合併症
 
動脈硬化症高脂血症でもっとも問題となる合併症は、動脈硬化症です。動脈硬化を起こすと種々な重篤な疾患を引き起こします。
 
Ⅰ.脳
 脳梗塞、脳出血
 
Ⅱ.心臓
 狭心症、心筋梗塞
 
Ⅲ.腎臓
 腎硬化症、腎不全
 
Ⅳ.血管
 大動脈瘤(破裂)、閉塞性動脈硬化症、脱疽
 
脂肪肝

中性脂肪が高いと、脂肪肝を引き起こします。
 
④高脂血症の診断基準
 総コレステロール220mg/dl以上
 中性脂肪150mg/dl以上
 HDLコレステロール 40mg/dl未満
 
⑤高脂血症の治療方法
 Ⅰ.食事療法高脂血症では食事療法がもっとも大切です。 (別項参照)
 Ⅱ.運動療法(別項参照)
 Ⅲ.薬物療法運動療法と食事療法を行っても治療が不十分な場合には、薬物療法を行います。
 (高コレステロール血症の管理目標)
 他の動脈硬化危険因子がある場合     総コレステロール200mg/dl未満
 虚血性心疾患がある場合        〃      180mg/dl未満
 *他の動脈硬化危険因子とは?
 1)加齢(男性45歳以上女性閉経後)2)虚血性心疾患の家族歴
 3)喫煙習慣 4)高血圧
 5)肥満6)耐糖能異常
 7)高中性脂肪血症8)低HDLコレステロール血症

⑥高脂血症によい運動
 運動負荷テストという運動時にどれぐらいの酸素を身体に取り入れることができるかというテストからATポイントという指標をだします。
このATポイントの脈拍数が120拍とすると120拍以上の運動は無酸素運動という強度の強い糖質代謝の運動になります。
120拍以下の運動は脂質代謝といい、脂肪を分解し酸素と結合してエネルギーにする比較的強度のゆるい運動です。これを有酸素運動と言います。
 
 どうして有酸素運動が効果的なの?
 高脂血症の疾患者の中には無症状の心疾患の人がいたりします。急に強い運動を実施することは危険です。
強い運動を行なわなくても持久的な運動である有酸素運動を長期間行なうことで改善がみられます。
また、善玉コレステロールであるHDLコレステロールが増えることで心血管系の疾患を予防することができます。
 
 運動の種目紹介と強さの目安
 運動の種類 早歩きや、ゆっくりと泳ぐ水泳や水中歩行、ゆっくりとしたサイクリングなどの有酸素運動、ストレッチ体操 。
 運動の頻度週 3回。 (1回あたり60分で200~300kcalのエネルギー消費を目標に)
 運動の強さ最大運動強度の6 0%・ATレベル脈拍の強度・年齢予測60%脈拍数のいずれかで行なう。
 
運動中の自覚的な運動の強さと目安
  30~60分間の間、運動しながら会話ができるような強さニコニコペースで「楽からややきつい」と感じる程度
  
 
 筋力トレーニングは心疾患があったり高血圧などの合併症がある場合、負担が高すぎるので避けましょう。
 
 
継 続 は 力 な り
 運動は一回あたりの運動消費エネルギーが少なく、物足りない感じがします。  また、効果がでてくるまで長い期間が必要になります。 効果が現れないといやになってやめてしまうことが多いようです。 しかし、半年、1年と継続することで確実に効果は現れます。 がんばって続けましょう。


http://www.aichi-med-u.ac.jp/psr/sheet-550.htm

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